子どもたちに未来をわたしたい・ 大阪の会」ニュース(2018年3月)

子どもたちに未来をわたしたい・ 大阪の会」ニュース(2018年3月) 

 私達の会は、6年前より「保養の家」に取り組んできました。(府下南部、現在大阪市内で)これまでのべ 73件の利用者がありました(福島県東北関東各地から)。

  福島原発事故と放射能被害は全く解決していません。今なお汚染と子どもへの影響を心配し苦しんでいる方が多くいることを実感しています。長期休み以外の利用希望も増えています。その中で福井県の高浜3・4号原発、大飯3号原発の再稼働が強行されました。原発から南100キロにある「保養の家」もこの大阪も安心して住める・滞在できるところではなくなり心痛みます。 

  私達はこの間、住宅支援打ち切り問題や大阪府市の避難者数ごまかし問題等も、大阪へ避難された方々と共に取り組んできました。 



東電福島原発事故は終わっていません!

政府は、オリンピックがあるために、いっそう 事故と放射能汚染と被害を隠し、なかったことに しようとしています。 

事故から7年経った今

見通しの立たない廃炉 作業員の使い捨て

 福島第一原発1・3号炉は今も、ほとんどの核燃料が圧力 容器から溶け出し格納容器の底部にたまりコンクリートも溶 かし汚染水が漏れ出している。2号炉も予想以上にデブリ(溶け落ちた核燃料)が格納容器の底部に漏れ落ちていることが明らかになった。異常な高線量の上、デブリの状態が不明なままでは廃炉作業に手が付けられない。プール内の核燃料取り出し作業による放射性物質の飛散を防ぐための3号炉カバー取り付けだけで爆発から2537日も要した。たまり続ける汚染水との闘いは原発作業員の手による。規制委員会は水と分離できないトリチウムは海洋投棄するしかないと言う。線量が高く近づけなかった1・2号炉間の排気筒倒壊の危険が増し、クレーン遠隔操作での解体に着手しなければならない事態が生じている。まさに事故は続いている、安心できる状態とは言えない、廃炉計画も40年では無理と言われ始めている。  事故直後の高線量の中で作業を進めていた50代60代の人たちは許容線量が満杯となり働けなくなっていて、今毎日5000人から6000人が投入されるフクイチでは20代30代の若い作業員が増えている。被曝上限を100から250mSvに引き上げた2011年12月16日までの間の緊急作業員は20000人。健康不安は大きいが、ほとんどが下請け孫請け社員で休業補償がなく会社を休めないため、国の健康診断を受けたのは約2割(4200人)。

国のこの調査目的は「健康を守るため」ではなく「研究のため」と記載されていて、病気が見つかっても治療費は出ない。作業員は「命の危険を冒して作業をしてきたことが、今情けなく感じる。」「国もやるならきちんと検査をしてほしい。作業員は捨て駒のようだ。」と怒りと不安をあらわにしている。-「クローズアップ現代」3月6日放映「原発事故英雄たちは今」より 

これまで労災認定申請者16人中、認定されたのはたった4人である。

「復興」の名のもとに、支援を打ち切り帰還を押し付け、被ばくを強要する日本政府と県

原子力規制委員会は3月20日、福島県内避難区域以外にある放射線監視装置(モニタリングポスト)を約2400台を2020年までに撤去することを決めた。また福島県は2020年に福島県産米の放射性物質検査を全量検査から抽出検査に切り替えると発表した。強制避難区域を通る国道6号線等、何本かの道路を開通させ、先端技術の施設や再生エネルギー発電など「復興」のかけ声と共に汚染地域にハコモノを建設し、オリンピック開催2020年には避難者をゼロにして、原発事故の被害を覆い隠そうとしている。しかし、

朝日新聞社と福島放送が福島県民に行った世論調査では、事故による放射性物質が自身や家族に与える影響への不安は「大いに」21%「ある程度」45%と合わせて66%が感じていると答えている。  事故後3日目に「もう米も何も売れなくなる、お前に間違った仕事=道を与えてしまった」と言い残し自殺された男性の息子は、ビニルハウス内の汚染をまぬがれた土で今も野菜栽培を続けている。彼は涙ながらに語ってい る。「風評被害ではない実害だ。土地が汚染された。風評という言い方は、放射能をまき散らした東電と国を免 罪することだ。」「僕ら40代世代が今声をあげねば、子ども世代に『何もしてくれなかった』と言われる。 だから今、僕は声をあげているんだよ。」-「忘却に抗う・福島原発裁判(集団訴訟)原告たちの記録」3月10日NHK 

深刻な健康被害 小児甲状腺がん

 福島県民健康調査による小児甲状腺がん・がん疑いは昨年9月30日までの合計で194人(内 良性1人)。そのうち手術を受けがん確定が159人である。事故発生前100万人に1人か2人と言われていた小児甲状腺がんの多発が子どもたちを苦しめている。さらにこの数には検査で経過観察に回され、その後がんが確定した子どもは含まれていない。事故当時4歳だった子どももカウントされていない。また被害は福島県内に留まらず、東北関東の広範囲に及んでいる。福島県外では自覚症状が出てからの診断のため甲状腺全摘出は、福島県内の子どもより多い。一般に甲状腺がんは予後が良い、進行は緩やかと言われるが、7割以上がリンパ転移、放射線治療を要する肺転移もある。原発事故との因果関係が認められず、18歳を超えると治療は自費、学業を中断して治療中の子どももいる。こんな状況にありながら県・国は検査縮小の動きを強めている。住民の不安・子どもの健康と命まで切り捨てようとしている。また甲状腺だけでなく胃がん、悪性リンパ腫、白血病など福島県での増加が顕著に見られている。(全国比「週刊金曜日1175号・明石昇二郞氏) チェルノブイリでは、強制避難、線量による移住の権利、保養の実施などを国の責任で実施してきた。現 在も続けられている。また事故5年後、周囲30㎞に加えて、被害のゾーンを土壌と空間線量によって拡大し、事故処理作業員とそこに住む人、彼らの子孫を認定し生活と健康保証を行ってきた。しかし日本では5年を 待たずに避難指示解除をし、支援や補償を打ち切っているのである。 

福島原発事故被害者賠償訴訟・集団裁判ーー4件が、国の責任も認定

 群馬、千葉、福島生業、京都、東京と原発賠償裁判の地裁判決がこれまでに出された。各地の原告団や支援者、弁護団の長く果敢なたたかいによって、千葉以外の4件で東電だけでなく国の責任をはっきりと認める画期的 判決を勝ち得ている。千葉も「津波の予見は可能だったが、対処しても事故を防げたとは言えない」という判 決内容であり、国と東電に加害責任があるという判断は確定的になった。さらに、「自主避難者」に対しても 限定的ではあるが、避難せざるを得なかった事情を認めている。しかし、避難の時期を区切ったり、避難元の 範囲を限ったりと避難の自己決定、避難の権利を全面的に認めるところには至っていない。両者が控訴し、全 国での裁判のたたかいは、今後も続く。 


 ミサイル攻撃の恐れ等を理由とする高浜3.4号機原発運転差止め仮処分審尋・終結日              Ⅿさん河合弁護士井戸弁護士 (とにかく止めよう!一時的でも停止を!)                      

3月30日(金)3時頃 大阪地裁前で行動あり 原発事故賠償裁判・関西訴訟 第18回(大阪地裁) 

2018年5月31日 2時~ 大阪地裁202号法廷 国相手の大飯原発止めよう裁判 第26回(大阪地裁) 

2018年6月13日 3時~ 大阪地裁202号法廷