「子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会」ニュース2014年3月

「こんな不条理はない!こんなことを許していていいのか?」   大人の責任、国の責任を果たせ!

診察診療をすぐに受けられるように、子どもたちを放射能から守る                     守る体制を早急にたたかいとらねばなりませんーー!


(内容紹介)3月12日「報道ステーション」

       わが子が甲状腺がんに…原発事故との関係は?


● 福島第一原発の事故から3年がたった。福島県で震災当時

18歳以下の子ども約27万人のうち33人が甲

状腺がんと診断された。  子どもの甲状腺がんは、年間

     100万人に1人か2人とされてきたが、それよりもはるかに高い割合で見つかった。 しかし、福島県の第三者委員会は、これが、原発事故の影響とは考えにくいと言い切っている。

●  甲状腺癌の診断を受け手術をした10代の子の母親のインタビュー

「 医者に『このまま放置したら死んでしまう。』と冷たく言われ、手術後は『このことは周囲に言わない方がいい、将来この子の就職にもかかわる。』と話された。 夫と子どもは『お母さん、もう放射能の話はしないで、調べないで。知らないのが、一番幸せ。』と言うので、家で喧嘩になってしまう。子どもは癌になり切除手術もしたというのに、なぜまたこんな苦しみまで‐‐?  初めの1次検査で[B判定(5ミリのしこり)の通知]をもらうが、何の説明もなく2次検査を受けるまで半年も待たされた。途中心配で、他の病院に行くと『個人病院では検査できない。福島県がそう決めている。』と言われ、診察すらしてもらえなかった。」 

   この子どもさんは原発事故後、何も知らずに年間85mSVを超える雨樋の下でサッカー練

習をしていたこともよくあった、という。

●  2011年10月に、県の甲状腺検査が始まった。なぜか?“甲状腺が必要とする栄養素はヨウ素。原発事故で放出されたヨウ素を、新陳代謝のさかんな子どもは特に取り込みやすく影響が大きいから。” そのための大切な検査であるのに、簡略化した時間をかけないものであった。(受診者は「3~5分だけで流れ作業のような検査、不安が募る」と。)決定的な問題は、「本人に、検査結果詳細がわたされないこと」「検査結果をすべて県立医大が独占管理すること」である。本人が開示請求をしないと、自分自身の検査結果を見ることすらできない、というのだ。

なぜ?と問われて、県立医大鈴木眞一教授の回答は、「結果をわたすことも考えたが“わたすことによる不利益?もある”ので実現しなかった」と。 さきの母親は言う「本当のことを知ることは、罪なのですか?」と。 (県は子どもたちの健康を守り子どもたちを守る立場では全くない! 県も、県立医大も、国も、放射能の影響と被害を隠そう、小さく見せようとしている!)

●  県の第三者委員会は甲状腺癌に関して「原発事故の影響は考えにくい」としている。通常100万人に2-3人と言われる甲状腺癌の発症が福島県では27万人中33人であるのに。

「これまでの甲状腺癌は自覚症状があって発見。今回はスクリーニングだから数が多く見つかるのは当然。チェルノブイリは4-5年で甲状腺癌が増えた。0-4歳が多かった。福島ではこの年齢層が見つかっていない。だから影響は考えにくい」と元県立医大教授で悪名高き山下俊二氏や鈴木教授が平然と言う。                   裏に続く

●  番組がチェルノブイリを取材。キエフにある専門病院。事故当時子どもだった世代を中心に検査。異変は確かに4-5年後からで急速に子供達の甲状腺癌が発見されるようになった。  広島や長崎のデータを元に、「甲状腺癌は早くても8年後から」というのがチェルノブイリの時の常識だった。4-5年後に現れたとき最初は事故と無関係とされた。しかしデータを取り関係性を追い、ヨウ素の半減期が終わる前に生まれた子に発症率が高いことを医師が突き止めた。またコロステン検診センターでは最初は触診しかできず、医療検査機がほとんどなかった。事故後4-5年で高性能の機器がはいった。それ以前にも発症があったのではないか?と言う医者もいる。‐‐「チェルノブイリ事故の時の“通説・常識”で、現在の福島のことを判断してはいけない」と北海道深川市立病院の松崎道幸医師が言う。また「チェルノブイリ時と比べて早すぎるから、原発事故の影響ではないーと決めるのは、全く間違いである」と、今中哲二京大原子炉実験所助教も断言。

●  福島原発事故自体、検証するためのデータが決定的に不足している。特に内部被ばくデータが不足。初期に検査をやめさせる力が明らかに意図的に働いていた(“異様な空気”があった)。飯舘村で行われた初期検査で追跡検査を勧められた子ども達に、原子力災害対策本部はそれを拒絶した「機器が持ち運べない、不安を与えるから」と。 初期段階に独自に住民被ばくを調べようとした弘前大学・床次教授に福島県からストップがかかった。

「これは歴史上でも常套手段だ。何かをやらない言い訳に“不安を与えるから”とする。

きちんと検査をしたほうが子ども達の不安がなくなるのは当然のことなのに」と元原発事

故調査委・崎山比佐子さん。 こうして、初期の放射線被ばく量が調べられずわからない

ために、今後病変が出ても、原発事故との関係性を問うことを難しくされている。

ナレーター「甲状腺癌になり手術を受けた、また甲状腺癌になる恐怖をいつも持たされ悩んでいる子どもたちを親を、ここまでじゃけにする・冷たく扱う―――こんな不条理があっていいのか?!こんなことが許されていいのか!」

● 毎日新聞・日野記者は、「健康調査情報の徹底した県の独占管理は、『被ばくの影響はない』と結論づけるためにやっている。そして住民を帰還させ人口減少に歯止めをかけ県の産業を立て直すことが、住民の命と健康よりも優先され進められている。――初期の検査をしなかった、あるいは『不安を煽る』として妨害した国や県の責任はどうなるのか」と問う。