原告勝訴!2020年12月4日 大飯原発3・4号運転停止行政訴訟(大阪地裁) 

原告勝訴!

2020年12月4日 大飯原発3・4号運転停止行政訴訟(大阪地裁)

原告団声明

12 月 4 日 大阪地裁は国に対し、大飯原発3・4号の設置許可取り消しを命じる 大飯3・4号は地震に耐えられないと、原告の主張を認める判決。 国は控訴を断念して設置許可を取り消し、すべての原発等について耐震性の見直しを行え!  


本日(12 月 4 日)大阪地裁の行政訴訟において、大飯原発の基準地震動は過小評価であるとして、設置許可を取り消せとの判決が出された。これは福島原発事故後に新たに導入された地震動審査ガイドの規定を踏まえた結果である。原子力規制委員会は直ちに大飯3・4号の設置許可を取り消し、国は人々の安全を守るために控訴を断念すべきである。この判決は8年半にわたる長い闘いの成果である。 


原子力規制委員会は、これまで自ら策定したガイドにおける地震規模の「ばらつき」を考慮せよとの規定を無視し、適用を退けてきた。大飯原発で、基準地震動の基礎となる地震規模を決める入倉・三宅式は、過去に起こった世界中の 53 個のデータの平均値である。しかし実データはばらついていて平均式との間に乖離があり、平均式より大きい地震規模が発生する可能性をはらんでいる。 この事実に基づいてガイドは、「経験式は平均値としての地震規模を与えるものであることから、経験式が有するばらつきも考慮されている必要がある」と規定している。この規定について、原子力規制委員会は 2018 年 12 月 19 日付「新規制基準の考え方[改訂版]」において、「当該経験式の前提とされた観測データとの間の乖離の度合いまでを踏まえる必要があることを意味している」との見解を出している。 


今年 1 月 30 日に裁判長は被告に対してこの乖離の度合いとして、少なくとも標準偏差を考慮しても、設置許可基準規則 4 条 3 項が規定する「地震による損傷の防止」が成り立つことを示すよう指示した。「ばらつき」の考慮が福島事故後に初めて策定されたことの意味を考えるようとも指摘した。現行では「不確かさ」を考慮した場合の 856 ガルが最大加速度である。それにさらに「ばらつき」の標準偏差を考慮すれば 1,150 ガルとなる。それでも上記基準規則の成立を示すことが事実上求められたのである。 ところが被告は、標準偏差は考慮したものの、今度は現行の「不確かさ」考慮をとり払い、現行より低い 812 ガルにしかならないと主張した。これでは裁判長が基準規則適合性を求めた意味が消し飛んでしまう。このような愚論を判決ははっきりと退けた。地震が過去の平均値で起こるとは限らないとの法則性を裁判所が認定したのである。  


原子力規制委員会はこの判決を踏まえて、すべての原発及び原子力施設等について、地震規模(地震モーメント及びマグニチュード)の見直しを行うべきである。  


関西電力に関しては、大飯原発の地震規模の見直しはもちろんのこと、とりわけ老朽美浜3号炉の耐震性が大きな問題になる。敷地のほぼ直下にある C 断層が現行でも 993 ガルをもたらすが、「ばらつき」の標準偏差を考慮しただけで 1,330 ガルに跳ね上がる。老朽化に伴う諸問題を抱えながら、このような危険性が放置されてよいはずはない。再稼働を中止し、耐震性の見直しを行うべきである。全国各地の原発に関して、耐震性の見直しを要求する取組みを協力して進めていこう  


平成 24年(行ウ)第 11 7号発電所運転停止命令義務付け請求事件

裁判官森鍵一驚藤毅豊臣亮輔(言渡日 令和 2年 12月 4日) 

判決骨子  

関西電力は,大飯原発 3号機及び 4号機の設置変更許可申請において,各原子炉 の耐震性判断に必要な地震を想定する際,地質調査結果等に基づき設定した震源断 層面積を経験式に当てはめて計算した平均値としての地震規模をそのまま用いた。 新規制基準は,経験式による想定を超える規模の地震が発生し得ることを考慮しな ければならないとしていたから,新規制基準に基づき基準となる地震動を想定する 際には,少なくとも経験式による想定を上乗せする要否を検討する必要があった。 原子力規制委員会は,そのような要否自体を検討することなく,上記申請を許可し た。原子力規制委員会の調査審議及び判断は,審査すべき点を審査していないので 違法である。       以 上

すべて「美浜の会ホームページ」より


(原告団の一人)

 午後1時半に地裁前へ、取材の記者・カメラのあまりの多さにびっくり。裁判所に入ると、いつも以上に原告がたくさん入廷できている。コロナ下なのに傍聴席真ん中に詰め詰めで30人以上のマスコミ関係者が座っている。いつもと違う、他の判決の時と何か違う。裁判長が判決骨子を読み始めた。最初は何を言っているのかわからず。「原子力規制委員会の調査審議及び判断は、審査すべき点を審査していないので違法である」らしき言葉で、法廷はどよめき大きな喜びの声がわき上がった。数人の記者がどたばたと立ち出て行った(速報競争のためか?)。裁判長の言い渡し終了で、大きな拍手が法廷内に起こり響き渡った。私も強く手をたたき続けていた。この今、こんなことがあるのだ!?スゴイことだ!裁判所玄関での報告に続く「会場での記者会見」には、そのまま30人以上の記者がつめかけて席をうめ、カメラにパソコン記録にと動き回っていた。記者からの質問は途切れることなく続く。会場内の記者の多さと熱気に目をみはらされた。これまでいくつかの裁判に参加し判決の場にいた経験もある。しかしこの日は、これまで見たことのないできごとが多くて、私はただただ驚いてばかりいた。

 裁判事務局の皆さん、弁護団の皆さん、本当にお疲れさまでした。そして心よりありがとうございました。8年半にわたるたたかいが導いたこの偉大な勝利、最高にうれしいです。 

 しかし私がこの日、いちばん驚かされたことは、このあとである。記者会見の場で、事務局の方、弁護団の方も、「この勝利判決をどう生かしていくのか?原発を完全に止めていくために、他の裁判やたたかいにどうつなげていくかについて、次々と話されたこと。もう次のたたかいに進んでいる。(「裁判長の人物について、国側が控訴するであろう話、裁判そのものの今後」についての話は全くでない。)そしてその場で「政府交渉」の場を持つために連絡電話をかけている方もいた。そして数日後には、この判決をもとに、地元や近辺自治体への要請行動に動き出されている。これまでも原告・支援者の皆さんが、「避難計画を案ずる関西連絡会」や福井の団体と共に、現地でビラ配布をされたり、各地の行政や諸団体に直接出向き要請し説得したりの行動をねばり強く何度も何度も続けられていることに敬服していましたが、これほどの大きな勝訴なのに、その喜びにひたっているまもなく、もう次のたたかいに進まれている姿に、この日一番驚き目をみはらされました。