以下、「避難計画を案ずる関西連絡会の抗議声明」 です
抗議声明
福井県知事の40年超え老朽原発の再稼働同意に抗議する 5月末頃の原子炉起動を止めよう
福井県知事は本日(4月28日)、国内初となる40年超え美浜3号、高浜1・2号の 再稼働に同意を表明した。県民や周辺住民の反対や不安の声を踏みにじった表明 を断じて許すことはできない。
知事は昨日の経産大臣と関電社長との面談によって、「将来にわたって原子力 を持続的に活用していく」「安全確保に万全を期す」という「覚悟と決意」を確 認し、美浜・高浜原発で50億円の新交付金を得ることで同意した。住民の安全を 蔑ろにしている。
知事は、国と関電の「覚悟と決意」を確認したというが、現実はどうか。
- 高浜2号は、新規制基準で定められている電気ケーブルの火災防護対策が未完 であるにも関わらず、いち早く再稼働に同意した。原発視察もパフォーマンスだ。
- 高浜1・2号は特重施設(テロ対策等施設)が未完のため、6月9日までに運転停 止に追い込まれる。関電のスケジュールに合わせて仮に運転を開始しても、わず か1~2週間しか運転できない。美浜3号も10月には同様の理由で運転停止とな る。それでも「老朽炉国内初の再稼働」という実績作りを手助けし、50億円を手 に入れる。
- 昨年12月の大阪地裁判決が示したように、老朽原発でも地震規模の「ばらつ き」を考慮すれば、基準地震動は過小評価のまま。美浜3号は、993ガルが 1,330 ガルに、高浜1・2号も700ガルが約1,100ガルに跳ね上がり、耐震性の保証はな い。また、中性子脆化で脆くなった原子炉圧力容器は取替ができない。
- 私たちが実施した避難先アンケートでは、コロナ禍では避難所が足りないこと が明らかになっている。福井県は「事故後に調整する」と答えるだけ。これでは 住民は避難さえできない。
- 県知事が求めている「県外での中間貯蔵施設」も先送りのままだ。関電は2023 年末までに候補地を示すと「覚悟」の弁を述べたが、むつ市長は「関電の使用済 燃料は受け入れない」「核のゴミ捨て場ではない」と改めて表明している。
- 高浜原発で現に発生している使用済MOX燃料の処理・処分の方法さえ決まっ ていない。福井県が核のゴミ捨て場になる。「覚悟と決意」ではなく、既に破綻 している原発・核燃料サイクルの現実に目を向けるべきではないのか。
事故になれば、福井県民はもとより、関西一円に甚大な被害が及ぶ。1,450万 人の命の水源である琵琶湖は汚染され、高浜原発からわずか2時間でプルームは 神戸に到達する。
県民・周辺住民の命と安全を守るため、福井と全国の運動が連携して、5月末 頃の原子炉起動を止めよう。
エネルギー基本計画改定に向けた原発推進に反対しよう。福島原発事故を繰り 返してはならない。
2021年4月28日 避難計画を案ずる関西連絡会 (連絡先団体:グリーン・アクション/ 原発なしで暮らしたい丹波の会/ 脱原発 はりまアクション/ 原発防災を考える兵庫の会/ 美浜の会/ 避難計画を考える滋 賀の会)
この件の連絡先
グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223
美浜の会 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580
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