2020.05.21 04:12福島原発事故から9年 (5) 「事故を起こした福島第1原発の今」 「防護服なし、しのぐ作業員 福島第一汚染検査引っ掛かる人も 移動用カバーオールで代用・防水スーツも欠品 休憩所濃厚接触など危険 休業補償懸念の声」(4/26東京新聞) 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本のメーカーが中国で生産している防護服が3月半ばから欠品状態のため、福島原発の作業員は放射線防護力のない代用品で作業を強いられています。 3・11原発事故から今日まで、事故処理作業は休みなく続けられてきました。高線量のガレキが片付けられ、4号炉の核燃料は取り出し完了し、1・2号機の排気筒解体が進みました。しかし、まだ手つかずの場所も多く、1~3号機には使用済み核燃料が残り、原子炉格納容器の底には核燃料が融け落ちた「燃料デブリ」がたまっています。...
2020.05.13 03:38福島原発事故から9年 (4)「 原発事故による健康被害~政府は、被ばくによる健康影響を調べない、知らせない」 福島原発事故から9年経過した今、世界は新型コロナウイルス禍に見舞われています。日本政府のコロナ対策は原発事故後と同様「調べない、知らせない、助けない」といえるもので、人々の命や健康を守るものではありません。政府はオリンピックや経済政策を優先して「原発事故による健康被害はない」と人々に思い込ませるため「リスクコミュニケーション戦略」を展開してきました。 一方、 チェルノブイリでは、長年にわたって原発事故による健康被害を調査し、3 ・ 11 福島原発事故 が起きた2011 年 には 「チェルノブイリ原発事故25 年 ウクライナ 政府報告書 」を公表し、放射線による健康被害の大きさを明らかにしています。 福島では 、 事故当時福島県に住んでいた18 歳以...
2020.05.07 13:27福島原発事故から9年~ (3)「原発事故避難者の今と国の政策」 復興庁公表の福島県からの避難者数は、2020年4月で38,097人(県外30211人 県内7886人)となっています。震災1年後の2012年5月の160,059人(県外62,038人、県内98,021人)から大幅に減っています。全避難者数は4分の1に、県外避難者は2分の1に、県内避難者は12分の1になりました。しかし、公表された避難者数は、実数よりかなり少ないと考えます。以下、その理由です。 福島県は2012年末に、「総合計画の最終年度2020年度に『県内・県外避難者数0(ゼロ)人』」を目標としました。これに向け避難指示区域は、緊急時放射線量の年20mSv以下を基準に解除を進め、事故後の11市町村から7市町村に減らし、今年3月には原発立地の双葉町や大...